壬申戸籍とは?

家系図 ルーツ

第12

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1.家系図ニュース~藤原氏の系図を漁る!?
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

日本最大の氏族といえば、藤原氏ということになります。出自が藤原氏であることが伝わっている家も多いでしょうし、これを読まれている方の中で自分の出自を知らないという方の中にも実は藤原氏が祖先であるという方も多く存在している筈です。

藤原氏が祖先ということは、つまり藤原鎌足につながるということです。
歴史で習う人物が、意識はしていなくても実は自分の先祖であるということは結構あることなのです。

ご存知のとおり藤原氏は天皇の外戚となることにより、その権力を強め平安時代には大変な繁栄を築きましたから、藤原氏の末裔は全国各地に存在しています。藤原氏の末裔はやはり苗字は現在も「藤原」かというと、それは少数派と思われます。繁栄も極めたからこそ藤原姓の中でも区別をする必要性があり、家を構えていた場所や肩書きをやがて苗字にしていくケースの方が多かったようです。「一条」「近衛」‥などという風にです。

また、「佐藤」「伊藤」などの「○藤」という苗字の家も、たどっていくと藤原氏である可能性が高いといえます。先週は、藤原氏を祖先とすることが家に伝わっているというご依頼人の出自を確認するために藤原氏系図を漁っておりました。日本最大の氏族のため、その系図の量も半端ではありません。

そのご依頼人の苗字もやはり藤原ではありません。その苗字を仮に「○○」としますと、「藤原姓○○系図」というのが存在していることは分かっているので、それを探し求めていたという訳です。残念ながら先週は結局、その系図を見つけることが出来ませんでしたが、じっくりと探していこうと思います。

ちょうどよい機会でしたので「藤原氏」についてこの機会に理解を深めようと思いまして、関連する書籍を色々と読みました。その中で異色の本を1冊ご紹介いたしますと、『藤原氏の正体』(関裕二著 新潮文庫)がなかなか面白かったです。

藤原氏の正体(つまり、藤原鎌足がそもそも何者か?)に推理で迫るものです。内容的には藤原氏に対してちょっと批判的な感じですので、藤原氏を出自とする方からしたら愉快でないと思われる部分もあるかもしれません。しかし、歴史推理として単純に楽しめるとは思います。

藤原氏の正体  (新潮文庫) 関 裕二
https://www.amazon.co.jp/dp/4101364710/ref=nosim/?tag=marujimubiz-22


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2.壬申戸籍とは?~明治5年式戸籍
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さて、ご先祖様さがしに欠かせないのが「戸籍」です。

現在の戸籍制度は明治の初めに出来たものですが、正確には明治5年にスタートしています。 その後、法令の改正などにより記載方法が何度も変更になっています。いちばん大きな変更は、戦前までの『家』を中心とした戸籍から新憲法になり『親子関係』を中心とした戸籍制度に変わったことでしょう。

しかし、その他にも小さな変更は多々あります。そうした変更を区切りとして、それぞれの戸籍形態を「明治19年式戸籍」だの「大正4年式戸籍」だのと呼んでいます。

ところで「壬申戸籍」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?「壬申」などというと何だか物々しい感じを受けますが、これは明治5年式戸籍のことです。つまり、現在の戸籍制度のいちばん最初の記載形態の戸籍といえます。これが明治19年まで続きました。
「壬申」というのは、明治5年の干支にちなんで付けられた名前です。

ところで、この壬申戸籍というのは現在でも取得できるのかというと残念ながら出来ません。他の古い戸籍は役所の方で廃棄処分にしていなければ取得できる可能性はありますが、この壬申戸籍だけは(実は現存しているにもかかわらず)取得できません。現在は、この壬申戸籍は厳重封印のうえ、法務局の奥深くに仕舞われて誰も見る事が許されていません。たとえ研究用としても閲覧は許されていません。(何か違う実情をご存知の方がいましたら是非、教えてください)

何故、そのような措置になっているかといえば、江戸時代の「身分」「犯罪歴」など人権問題に関る記載もあるためです。

家系図を作る。ご先祖様を探すという意味においては残念なことですが、不当な差別につながるような記載があるのでは一律に閲覧禁止というのも仕方のない措置といえます。これが取得できるならば、自分の家が江戸時代に武士であったか否かが分かりますので先祖調査の大きな助けになりますが、まあ仕方ないところです。

しかし、もしかしたら祖父・祖母の家の箪笥のどこかに古い壬申戸籍が眠っていないとも限りません。実家に帰った際には是非、確認をしてみてください。壬申戸籍には、そうした身分(「士族」「平民」など)の他にも、氏神(信仰していた神社)がどこか、菩提寺はどの寺かということまで書いてあります。そうした記録が分かれば、効率的に神社、お寺の記録にアプローチできます。

正確には「士族」「平民」といった身分記載は明治5年式の壬申戸籍でなくても、戦前の戸籍には全て記載されていました(氏神等の記載はさすがにありませんが)。ですから、戦前の戸籍がやはり家のどこかにあれば大きな手がかりになります。という訳で、まず自宅や実家、親戚の家に古い戸籍(壬申戸籍や戦前の戸籍)が無いかを探してみるという事は必ずやっておいたほうがよいでしょう。

※古い戸籍は、不当な差別問題につながる可能性もあるものですので、取扱にはくれぐれも気をつけてください。先祖探しをすることは素晴らしいことですが、それにより誰かを傷つけるようなことがあっては意味がありませんので。

※参考になる書籍として下記のものがあります。(50年前のものでAmazonで古本が高価で売られています。ちなみに私はこの古本を5万円で購入しました‥)

壬申戸籍成立に関する研究 (1959年) 新見 吉治
https://www.amazon.co.jp/dp/B000JAS0XU/ref=nosim/?tag=marujimubiz-22