同姓の方が拓本まで取ってくれてご先祖の繋がりが判明

家系図 ルーツ

第98

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1.家系図ニュース~新刊『自分でできる家系図』(二見書房)8月9日発売
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

さて、来週木曜日(8月9日)に私の新刊『自分でできる家系図』(二見書房)が全国の書店で発売となります。

今回の書籍はタイトルどおりに戸籍取得などの基本的な調査、そして家系図を書き上げるところまで自分でやってみたい~という方に向けたものです。

これまで出版してきた書籍と違い、キット付になっていて夏休みの工作ではありませんが、家族や親族で楽しく仕上げていくことが出来る内容です。マンガや図版も多く、肩が凝らずに気軽に家系図作成、先祖探しが楽しめます。

インターネット書店のAmazonのこちらのページで表紙と裏表紙の画像が見られます。それを見ていただくとキット内容なども分かると思います。

お盆という、ご先祖に想いを馳せるには最も良い時期ですので、是非このキット付の書籍を使って第一歩を踏み出していただければ嬉しいです。
これをきっかけに、家族、親族の会話が増えたらいいなあ、なんて思っています。予約も受付中です。

■新刊『自分でできる家系図』(丸山学著 二見書房)


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2.同姓の方が拓本まで取ってくれてご先祖の繋がりが判明
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猛暑と呼ぶにふさわしい日が続いていますが、私の方は各地で現地調査を続けています。

先週は広島県の某所で、神社の石碑に彫られた人名を見て回ったり近所のお寺に飛び込みで聞き込みを行ったりしていましたが、流れる汗が目に入り続け、痛くて目をあけていられずに往生しました。

暑さが響いたのか(実際は日ごろの不摂生が祟って?)、帰ってきてから夏風邪をひいてしまい久しぶりに40度近い高熱を出して数日寝込んでしまいました。皆様も熱中症等には充分お気をつけください。

ところで、この広島の案件は非常に興味深い展開でした。ご依頼人自身が既に取得された戸籍により、既に幕末~明治時代を生きたご先祖様名も明らかになっていました。

しかし、明治時代の戸籍にはよくある事ですが、男性(当主)の名前ははっきり分かるが女性(当主の妻)の名前が記載されていませんでした。
ご依頼人としては諸般の事情があり、その名前の分からない妻のことをお知りになりたいとのことでした(ご依頼人から母系を辿った系図を作りたかったのです)。

残念ながら江戸時代、そして明治になっても男尊女卑の傾向があった事は周知の通りでして古い時代になればなるほど女性のことを詳しく知るのは難しくなります。江戸期の宗門人別帳などでは(地域により異なるものの)、男性は「庄右衛門」などとはっきり名前が書かれていますが、女性になると「女房三十二歳」「娘五歳」としか書かれていないケースも多いのが実状です。過去帳でも同様に「庄右衛門母七十六歳」といった感じです。

なので、このご依頼を受ける際にも、戸籍で判明していた最古の当主の妻の名前を判明させるのは難しいかもしれないという前提で始めたのでした。ところが、ご先祖探しというのは奇跡的なこともよく起るものです。

その探していた家は明治期に全く別の県に移住して、現地には同姓の家が一軒も残っていませんでした。移住先についても「○○県●●市に移住したらしい」としか分からず、仕方なしにその●●市の同姓宅を電話帳でピックアップして手紙を出して問い合わせをするところから始めてみました。

広島時代(明治期)のご先祖名を出して、このお名前のご先祖様が貴家におられますでしょうか?という感じで問い合わせっていったのです。ここで、「はい、それならウチのご先祖ですよ」と返信いただけるケースはままあります。あるいは「その名前の先祖は聞いたことないですね」の、どちらかです。

しかし、●●市の同姓宅に問い合わせの手紙を出したうちの一軒から返信があり、開封してみると中からゴワゴワと大きな紙が出てきました。すぐに、私もよく使用している拓本用の画仙紙であることが分かりました。

それまで数多く、依頼人と同姓のお宅に手紙を出して問い合わせをさせていただいてきましたが、拓本を取った紙が送られてきたことは初めてでした。

まさかと思って広げてみますと、まさに墓石の拓本で夫婦の俗名と戒名、没年月日の文字が見事に写し取られていました。そして、その夫の方は戸籍で判明していた最古の当主でした。妻の方は、戸籍ではどうしても記載がなかった女性です。

同封されていた手紙には「古い墓石があったので拓本を取ってみました。どうやらお探しの方はウチのご先祖のようです。私も初めて知りました」と、ありました。

問い合わせた先の方が、わざわざ拓本まで取って確認してくださるという事がまず通常ではあり得ません(…というか私も初めての経験)。その上、それがまさに、ご依頼人が探していたご先祖夫婦のものであり、かつ戸籍には記載されていなかった妻の名前(俗名)まではっきりと書かれていた。

こんな事が起こるものだろうか?と、本当に不思議な体験でした。

世知辛い世の中ではありますが、こうした数々の親切に支えられてご先祖探しは成り立っているのが事実です。