本家に協力していただく秘訣

家系図 ルーツ

第61

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1.家系図ニュース~武士は居住地を移動する
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

当メルマガも色々なところで紹介をされているようで、今号からお読みいただいているという方も多いようです。私の自己紹介を兼ねまして、著作や私自身の先祖探しの話(江戸時代に吉原を貸し切ったご先祖がいたらしいです!)のページを下記にご案内させていただきます。

せっかくのご縁ですので、どのような人物か初めにお見知りおきいただけますと嬉しく思います。

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…ところで、当方では戸籍による先祖調査にとどまらず、苗字や本籍地からご依頼人様の家の大元の出自(藤原氏秀郷流、清和源氏など)を想定したり、コースによっては戸籍で分かる範囲を超えて現地調査を行うという事をしています。

そうした活動をしていると重要になってくるのが日本国内での「人」の移動です。明治以降は基本的に自由自在に居住地を変えるようになりました。しかし、江戸時代以前はそう簡単に居住地を変わることは出来ません。それでも、全く移動しないという訳でもありません。

たとえば武士などは原則として土地に縛られるのではなく自らの主君の動きに合わせて自分(自家)も動きます。越後国(新潟県)福島藩の初代藩主である戦国大名・堀秀治は、元は越前国(福井県)北ノ庄を本拠としていましたが豊臣秀吉に命じられて福島に移封となりました。

その際、秀吉は堀秀治に移封朱印状を出し、国替にあたり武士(家臣)や奉公人は残らず連れて行けと命じています。つまり、家臣たちも主君について居住地を越前から越後に移動することになります。

逆に、同じ朱印状の中で検地帳に付けられている農民は1人も連れていってはいけないという事も命じています。つまり、農民であれば藩主の交代があっても土地に縛られるという事です。

しかし、これが原則ながら全てこうだとも限りません。また、お家取り潰しなどで主君を失った家臣団(武士)にはどのような選択肢があるのでしょうか?

実は新しく入ってきた大名の元に再就職するのは容易ではありません。帰農(農民となる)するのが主な道といえますが、これとて例外はあります。そうした原則と例外を押さえた上で、その土地の歴史や、代々の支配者の移り変わりを、それぞれの案件ごとに調べていく必要があります。

皆様もご自身のご先祖探しをされる際は、上記のような事を念頭に調査を進められると効率的になりますし、真相に近づける可能性が上がります。


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2.本家に協力していただく秘訣~細い糸を切らさず、ゆっくり手繰り寄せる
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さて、戸籍以上のご先祖探しをしようとする場合、様々な方にご協力していただく必要があります。それは行政機関であったり、お寺であったり個人であったり様々ですが、とりわけ重要なのが「本家」です。

ご依頼人の戸籍をたどっていった結果、明治時代にはどの県の○○村に住んでいたという事が分かります。その地域には現在も、ご依頼人の家の総本家が存在している確率大です。もちろん、その総本家とご依頼人が今もお付き合いがあれば問題ないのですが、昔の総本家がどこか分からないというケースも現在では多いです。

そうなると、私の方でその総本家とコンタクトを取り、協力をお願いします。総本家が協力してくだされば、その家にある位牌や過去帳の情報も入手できますし
大元の菩提寺に残る情報も入手できます。

また、総本家自体でも昔のご先祖様名までは分からないまでも古いお墓などがあれば拓本を取らせていただくなどして総本家も把握していない情報を取得できる事も多々あります。ですので、総本家の協力は欠かせない訳です。

しかし、そう簡単に協力が得られないこともまた多いのが実情です。実は、ある中部地方の『400年たどるコース』において先日、まずその家宛てに手紙を出してみました。私の身分証明書などを添えて、調査の趣旨を書いた手紙を送りました。

しかし、残念ながら協力できない旨の返信をいただきました。もちろん、それはそれで仕方ないのですが、返信の文面が「もしかしたら、悪徳業者か何かと勘違いされているのではないか?」と思われるところがありました。こちらが何者か、どのような趣旨でお願いしているかを全てご理解いただいた上でお断りされるのであれば仕方ないのですが、勘違いされて断られているのであれば残念すぎますので、何とかならないものかと一生懸命考えました。

断りの手紙を受け取っているにも関わらず、いきなりこちらから電話をかけたら困惑されると思いますので、もう一度だけ手紙を書くことにしました。何とか悪徳業者ではないことだけでも分かってもらえればと思い、そのことを書いた手紙を出しました。

そうしましたら、何とかお返事をいただけました。まずは、お返事をいただけたお礼の電話をしました。色々とそのお電話でも質問したいことはたくさんあったのですが、まずは信頼の糸を切らさないように誠心誠意、お返事をいただけたお礼を言うことだけに集中しました。

その後、文献調査でその総本家のお宅の近くまで行く機会がありました(つい、先日のことです)。お宅の前を通りかかるとご当主が庭先で何か作業をされていました。ですので、ご挨拶だけと思い声をかけさせていただきました。

ただ、お忙しいとの事でヒアリングについては難しいとのことでしたので、ご迷惑になってはいけませんのですぐに辞退させていただこうと思ったのですが、二言三言世間話をさせていただくうちに色々とこちらの必要な情報を話しだしてくださいました。

最後は総本家のお墓にまでご案内をいただきました。そこでもたらされた情報はあまりにも重要で、もし、この総本家のご当主とお話できていなかったら調査は行き詰っていたに違いありません。

ここでお話を聞けたおかげで、どうやら江戸時代は別の地域に住まわれていたらしいことも分かりましたし、菩提寺も分家の菩提寺とは全く異なることも判明しました。本当に総本家のご当主には感謝です。

よくよくお話をうかがってみますと、何年か前に家系図(…と、言っても調査をして作成するものではなく出来あいのもの)を高額で売り込みをされて困惑したことがあったそうです。なので、今回の私からのアプローチも最初はそのようなものかと勘違いされて、距離を置かれていたそうです。そうであれば確かにこの世知辛い世の中ですから、そのような対応をされたもの仕方ないところです。

おそらく、総本家にアプローチをする場合はこうした苦労をされるケースが多いと思います(前述のような売り込みは全国的に行われていたようですので旧家ほど過去の経験から警戒をされると思います)。

信頼を得るまでは、本当に細い糸を少しづつ手繰り寄せる感じです。面識のない方に協力をいただこうと思ったら焦ってはいけません。時間をかけて、一歩一歩こちらの事、こちらの趣旨を伝えていく必要があります。

さて、この『400年たどるコース』は一気に新たな局面に突入しそうです!