神社の石碑にご先祖様の名前を発見

家系図 ルーツ

第23

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1.家系図ニュース~浮き沈みの激しかった新潟出張
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

今、一泊二日の新潟出張を終えて事務所に戻ってきました。
以前に「古い戸籍によく出てくる『番戸』『番屋敷』という本籍地から現住所を特定できるのか?」という記事を書きましたが、まさにそのケースで今回の出張1日目はそこからスタートしました。

その地域に残る江戸時代の絵地図は既に入手していますので、正確な現住所が分かれば、それと絵地図を照合することにより大きなヒントが得られるかもしれないという状況なのです。

17日(火)、朝5時に起きて始発で家を出発。午前9時過ぎには某法務局に着きました。何とか旧土地台帳を活用して現住所を特定すべく色々と試みましたが、結果は上手くいきませんでした。

まあ、成果を得られなかったこと自体は仕方ありません。どうやっても駄目な場合もあります。特に法務局などの行政機関は法律に基づいて運営されている訳ですから、こちらもそれに従うのは当然です。違法な形で情報を入手してまでご先祖様探しをするというのは全く本意ではありませんので。

しかし、ここの法務局を後にするとき私の気持ちは非常に落ち込んでいました。成果が得られなかったことではなく、職員の方に何度も、「ご先祖の住んでいた場所が分かったからといって、それで何もならないでしょう‥」と、繰り返し言われてしまったためです。

もちろん、法務局というのは不動産登記や会社登記で職員の方々は非常に神経を使う仕事で、かつ忙しいところです。ですから、先祖探しをしている人に時間を割く事はなかなか難しいのも実情かと思います。その心情もよく理解できます。

ですから、「お忙しいところ、本当にありがとうございました」と、心からお礼を言って頭を下げて辞しましたが、現地出張のスタートから非常にヘコんでしまったのも事実です。

早く気分を変えなければと思いましたが、そういう時というのは何をやっても駄目なもので、次の予定の図書館まで30分歩いて(時間節約のためタクシーを使いたかったのですが、全く通りませんでした)ようやく到着し、受付で「○○さんとお約束しているのですが」と、来意を告げると「あっ、○○は別の建物におりまして、ここから歩いて30分くらいのところなのですが」と、言われてしまいました。

よりによって、それは今来た道を戻るということです‥自分の確認不足ですから仕方ありません。またタクシーは見つからず歩いて目的の建物へようやく到着しました。


‥と、ここまでは非常に暗澹たる出だしで先が思いやられたのですが、捨てる神あれば拾う神ありで、ここから2日目の午後まで「えっ、こんなに幸運があっていいの?」というくらい、どんどん有益な史料が目の前に現れ、出会う方々に協力をしていただく事となりました。

おかげさまで帰路は非常に良い気分でした。しかし、この2日間は花粉と黄砂が酷く、今、目と鼻はボロボロです‥


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2.神社の石碑にご先祖様の名前を発見
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1日目の午後の快進撃については、またじっくりと書きたいと思います。
古い戸籍の本籍地と現住所の関係というのは、非常に大きな問題であり、誰もが出会う問題であろうと思いますので。

さてさて、2日目は新潟県内で少し場所を移動して違う「200年コース」の案件の調査です。

午前中は、ご依頼人様のご先祖が住んでいた村の旧家が所蔵している古文書の写しの閲覧です。某図書館にそれが所蔵されていましたので、そこに行きました。

「参考になるものはないと思いますが‥」と、事前に言われていたのですが、いやいや明治初期のその村で家屋敷を所有していた人の名前を全て書き出した帳面があり、依頼人様のご先祖様のお名前も出てきました。

この案件は実は、古い戸籍に「○○村から転籍」という記載があることからご先祖様の住んでいたであろう村はかろうじて分かるものの、それ以外は菩提寺も氏神も不明。言い伝えも全く無し‥という、およそ何も手がかりはないところからのスタートでしたので、明治初期のその記録だけでも充分価値があります。

そこには、村の中の住所のようなものも記載されていましたし、所有している田の面積なども書かれています。この後、江戸時代の古文書が出てくれば、そうした記載があるおかげで苗字が書かれていなくても、ある程度、誰がどの家の人なのかを想定することも可能になります。

しかし、肝心の江戸時代の古文書は全くありませんでした。
 
‥ところが、よくよく話を聞いてみますと、実はその図書館にはその村の他の旧家の古文書も預けられていると言います。何でも、念を押して聞いてみるものです。

今までその存在について話が出なかったのは、閲覧の許諾が出ていないためだったのです。私としてはその時点で、では自分でその家に手紙を書いてお願いをしてみようと考えたのですが、図書館の方が「ウチの方で可能かどうか聞いてみますね」と、言ってくださりました。

もう感謝、感謝です。1日目の午前中の出来事が嘘のような恵まれようです。ところが、快進撃(?)はまだ続きます。午後からは、その○○村を実際に歩いてみました。何のアテがある訳でもアポイントがある訳でもありません。

花粉でボロボロになりながらも神社を見つけたので「どうか、ご先祖様探しが上手くいきますように‥」と、境内に入って手を合わせました。現在は誰も常駐していないようで話を聞く相手もいませんので、これでもう帰ろうと思ったときに、脇の方にあった石碑が何となく気になりました。

近づいてみますとその台座に、何と先ほど明治初期の古文書にも登場していた依頼人様のご先祖様の名前が彫られているのです!かなり古いものでしたが、肉眼でもすぐに確認できるほどですから、深くしっかり彫られていたのでしょう。

という事は、この方はこの石碑建立にあたり尽力した、あるいは寄付などをしていたということで、このご先祖様の財力や信仰心などが感じられます。まさに、戸籍を超えた調査をしたからこそ初めて感じられるご先祖様の息遣いです。

しかも、そこにお名前を見つけたことにより、全く不明だった氏神(その家が信仰していた神社)が明確になったのです。もし、この神社の氏子台帳などが現存していれば、そこからさらにこの家の家系が明らかになるかもしれません。

さて、この後どんな展開を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。