「言い伝え」も重要な史料

家系図 ルーツ

第131号 (2016年1月21日) ※読者数9,040人

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1.家系図ニュース ~久しぶりにテレビ番組で先祖探し?~
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

2年ほど前にTBSテレビ『100秒博士アカデミー』(MC:ダウンタウン)という番組に二度ほど出演させていただき、友近さんなどタレントさんの先祖探しを行いました。

「先祖探し」「家系図作成」という珍しい仕事をしている為にテレビ出演の話はよく頂くのですが、ここのところは忙しくて全てお断りしていました。

しかし今、久しぶりにテレビ番組のお手伝いをさせていただいております。前回のようにガッツリと私が全て調査をして、かつスタジオ出演でタレントさんと話をするとなると時間的にキツイので、今回はあくまでアドバイス、ちょっとしたお手伝いだけと念を押して関わっております。

まあ、テレビの事ですから実際に放送にこぎつけられるか、放送されたとして私が出演するかどうかは分かりませんが、もし放送になる際にはこのメルマガでもお知らせさせていただきます。


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2.「言い伝え」も重要な史料
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戸籍の範囲を超えて江戸時代の先祖探しを行う場合には様々な史料を必要とします。

江戸時代に武士だった家であれば各藩の藩士名簿(分限帳)を見ますし、農民であったという場合には、ご先祖様が居住していた村の宗門人別帳(江戸時代の戸籍帳のような文書)や検地帳を探して閲覧していきます。

つまりは「紙」に書かれた史料を必要とする訳です。

時には墓石に彫られた文字によって江戸期のご先祖様名が判明する場合もあります。こちらは「文書」ではありませんが、石に刻まれた文字を読み取るという意味では紙の文書と同じです。

しかし、忘れてはならないのが「口伝」です。

紙には書かれていないけれど、ご先祖様についてのエピソードが代々口頭で伝えられている事も実に多いです。

 「それを記した文書などは存在しないのですか?」と、お聞きすると、
 「代々あたりまえのように話で伝わっているからなあ…」と、言われたりします。

今、近畿地方で「400年たどるコース」の案件の調査真っ最中ですが、既に文書類や墓石の文字を読み取り江戸時代中頃までのご先祖様名は明確になっています。しかし、江戸時代より前~つまり、戦国時代に何をしていたのかが今ひとつはっきりせず、それを示すような史料も現存していませんでした。

そこで、私はご依頼人家と同族に当たるであろう家々に、「江戸時代より前に何をしていたか?どこから来たのか?何かお聞きしていませんか」と、確認していきました。

はじめ現役世代の方々に話を聞いていた際には、皆様あまり関心がなく「よく分からないなあ」という回答ばかりでしたが、たまたま現当主のお母さまと電話で話をしましたら、

「祖先の事はよく分からないけど、戦国時代まで墓地の裏手にあった小さな城の武士だったというのははっきりと伝わっています。墓地の最上段にある洞はその武士のものだから大切にしなければいけないと代々云われているけど…それ位しか分からないんですよね」との事。

それって凄い大事な話じゃないですか~!

こうした話は誰かが紙に書き留めるまでは「史料」にはなりません。でも、実際には紙で伝わろうが口頭で伝わろうが重要な史料である事には代わりありません。但し、決定的な違いはご先祖様について関心がない方はその口伝を真剣に聞かないですし、それを次の世代にも伝えません。

 でも、紙で「○○家の由緒」と題してあれば、さすがに捨てられる事はありません。
 関心が無い方が間に入っても次世代に受け継がれていきます。

 おそらく、今こうしている間にも貴重な言い伝えがあちこちで消滅している筈です。
 重要なのは口伝も史料の一つとして出来る限り収集する事。
 そして、その口伝をとにかく「紙」に書いて相応の題名を付けて保管しておく事(仏壇の中など捨てられる可能性の少ない場所に)。

ご先祖探しをされる場合には、地域の古老などにも出来るだけ話を伺いましょう。きっと、有益な情報を得られる筈です。