江戸時代の全年代の「宗門人別帳」が存在する村もある!

家系図 ルーツ

第75

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1.家系図ニュース~「霊感」が強い人は先祖探しは大変!?
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

相も変わらず「先祖探し」を続ける日々です。今週は、ある「400年たどるコース」の案件で2泊3日で近畿地方に現地調査に行ってまいりました。今回が最終調査だったのですが、結果的には300年程度しかたどれず悔しい結果となりました。

江戸時代前半の史料を現地の行政機関、神社、お寺、個人宅で徹底的に探してみましたが、やはり現存していないという事が判明しました。それでも墓地調査で現地の姓と家紋を調べることにより、当地の中世の豪族との関連なども見えてきて収穫はそれなりにありました。

さて、私はいわゆる「霊感」はほとんど無いほうです。ところが、この現地調査でホテルに滞在中の深夜、うなされて目を覚ましました。部屋中に変な音が鳴り響いていました。

とっさに、そうえいば墓地をウロウロしているから霊が付いたのかな?と、考えました。そして、廊下に出てみました。それでも音は鳴りやみません。という事は、部屋に住みついている(?)霊ではないんだろうなと判断しました。

やはり、自分に付いているのかな?それなら仕方ないなあ~と、今思うと妙に冷静な考えで、仕方ないならテレビでも見ようと1時間ほど深夜番組を見ていました。1時間ほど経過すると、その音も鳴りやみました。

おそらく、霊ではなくて疲労が原因で耳鳴りでもしていたのでしょうか?その後は、そんな音も耳鳴りも全く起きません。それにしても、もし霊感が強かったら墓地などを歩き回るこの仕事はとても大変なことになり、やってられないかもしれません(笑)。


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2.江戸時代の全年代の「宗門人別帳」が存在する村もある!
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さて、戸籍以上にご先祖様をたどる場合に最も頼りになるのが宗門人別帳です。人別帳は現在の戸籍と住民票を合わせたような書類ですので、家族構成が一目で分かります。

当主の名前だけでなく、その父母、子供の名前や生年などまで分かりますし、時には飼っている馬の数まで分かることもあります(記載方法は地域によって異なる)。江戸時代中のご先祖調査で、これまで多くの地域の宗門人別帳を見てきましたので、ここで人別帳について整理しておきたいと思います。
 
まず、この宗門人別帳というものは「村」を単位として作成します。実質的には村役人が調査し書上げ、領主に提出します。ですから、「○○村宗門人別帳」などというタイトルになっているのが基本です。

但し、現実には「五人組帳」とセットで作成されている場合などもあり、タイトルもそういう場合は微妙に異なることになります。家系図関連の本で「宗門人別帳はお寺にある」と、書かれていることがありますが、完全な間違いではありませんが正解ともいえません。

お寺は、各村が作成する人別帳に書かれた人々に対してその帳面の中で「確かに当寺の檀家です」という証明の印を押します。それが最終的には領主に提出され、その控えが庄屋宅などに保管されます。ですから、お寺は証明をするだけで宗門人別帳の作成者にもなりませんし、保管をする立場でもありません。

しかし、実際にお寺に人別帳が所蔵されている場合があります。これは、ほとんどの場合、お寺なりの独自の「控え」です。で、本来は村単位で作成されるのが宗門人別帳ですが、お寺の控えの場合は自寺の檀家は各村にまたがって存在していますから、各村の人別帳から檀家の部分だけを抜き出して書き写し、それを合わせて一冊にしているのが通常です。

という事は、お寺の控えとしての人別帳の場合、「○○村」と銘打って記載されていても、それが全村人を書き出している訳ではない(つまり、その村人であっても別の寺の檀家は記されていない)ということを知っておく必要があります。そこに先祖が記載されていないからといって「この村にいなかった」という事ではなく「この村に住んでいたけれども、別の寺の檀家だったかもしれない」と、考える必要があるという事です。

ところで、そんな宗門人別帳ですが、これは江戸時代前期から明治3年頃まで毎年のように各村で作成されていました(つまり、戸籍制度が出来ると同時に廃止になった訳です)。

ところが、それが現存しているかといえば、今となっては1冊も現存していない村の方が多いのが実情です。一つの村で2~3の年代分の人別帳が残っていれば御の字です。それも、どこに残っているかは地域によりまちまちです。行政機関にある場合もあれば、いまだに旧庄屋宅に所蔵されている場合もあるという訳です。

しかし、本当に稀にですが、江戸時代を通じてほぼ全年代の人別帳が現存しているという村があります。実は、今手掛けている某「200年たどるコース」で人別帳を探していたところ、現地の某行政機関に存在し、かつ学芸員の方にお聞きしたところ「ここの村のものは江戸時代中のほぼ全年代のものがありますよ」とのこと。

お~、これは凄いと思ったのですが、非公開で閲覧できないと言われてしまいました。 そこで、教育委員会宛てに事情を記した手紙を出し、かつ申請書を添えたところ、「今までに例はないのですが、よいでしょう」との返事をいただく事が出来ました。

来月に閲覧に行ってまいります。閲覧に充てられる時間は丸一日(200年コースの場合は2日間の現地調査を行いますが、一日は他の調査に充てることになっているので)ですので、とても全年代は見きれないと思いますが、少なくてもこれで江戸時代後期までのご先祖様の様子は判明させられると思います。