吉原を一晩貸し切った?ウチのご先祖様

家系図 ルーツ

第72

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1.家系図ニュース~吉原を一晩貸し切った? ウチのご先祖様
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

さて、私は仕事として多くの方のご先祖探し・家系図作成を行っているのですが、自身の先祖についても色々と調査をしました。特に面白かったのは、父方の祖母の家です。明治時代になり事情があって衰退してしまったのですが、江戸時代中は庄屋を務める家で大変なお金持ちだったようです。藩にお金を貸していたという言い伝えもあるくらいです。

そんな家ですので豪快なエピソードには事欠きません。江戸時代中には「吉原を一晩貸し切った」などという言い伝えもあります。まあ、非常に面白い話ですが、これはどう考えても現実的ではありません。

吉原の一軒の見世(店)を一晩貸し切るのに1千両(8千万円くらいか?)かかるといわれますので、吉原全てを貸し切るとなったら、とんでもない金額がかかります。実際の記録では、吉原の大門を閉めさせた(吉原全部を貸し切ること)のは豪商として有名な紀伊国屋文左衛門など1人か2人の豪商だけです。紀伊国屋文左衛門ほどの財力がなければ大門は閉まりません。

実際は一軒の見世を少し貸し切った程度のもので、それに面白おかしく尾ひれが付いた話なのでしょう。まあ、オーバーな話ではありますが、こんなエピソードに出会うのも先祖探しの一つの楽しみといえるかもしれませんね。この話についてはホームページで詳しく書いておりますのでご興味のある方は↓
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2.宿場町のご先祖探し
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ご先祖探しの基本は、まず可能な限り古い戸籍まで取得することです。そうして、江戸時代に居住していたであろう地域を突き止めた上で今度はその地域の古文書なりを探していく~という段取りになります。

古い戸籍まで取得すると「城下町に住んでいた」「農村地帯に住んでいた」と、それだけでも何となくご先祖様の暮らしぶりがうかがえます。

ところで最近、「200年たどるコース」の案件でそのように古い戸籍までたどったところ「宿場町」だったというケースが続いています。江戸時代は各街道沿いに多数の宿場町が存在していました。ウチの事務所がある所沢市も江戸時代には秩父と江戸を結ぶ「所沢宿」がありました。

さて、農村地帯ですと明治の初めにそこに本籍地があれば江戸時代中からその場所に居住していた可能性がかなり高いといえます。しかし、宿場町の場合はどうでしょうか?宿場町は基本的に商売をしている家が暮らしています。農民に比べると、どうしても流動的なイメージがあります。

徳川幕府が倒れたあと、明治時代になると人の移動も激しくなります。そうした中で明治初期に宿場町に入ってきて商売を始めた家が多いのではないか?つまり、江戸時代はどこか他の場所に居住していたのではないか?

どうも私は最初、そういうイメージを持っていました。しかし、実際に案件で調査を行ってみると明治時代に宿場町に本籍地があった家は江戸時代中もその宿場町で暮らしていたというケースが多いことに気付きました。

実は先週、信越地方の某宿場町で現地調査を行ってきましたがやはりそのような結果でした(余談ですが、今回は行政が作成した郷土史の編纂委員
の方に色々とご協力をいただいて江戸時代後期の当該宿場町の絵地図を入手する事ができ、大いに役立ちました)。

ですので、戸籍取得の結果、明治時代に宿場町に住んでいたことが分かった場合でも基本的にはその宿場町に江戸時代から居住していたであろうという仮定の元に調査を進めていくのが効率的といえます。

今回のウチの信越地方での調査のように、江戸時代後期のその宿場町の絵地図(当主の名前入りの絵地図がよくあります)を探すといった事から始めてみると良いでしょう。