非公開の古文書の閲覧をお願いする日々

家系図 ルーツ

第60

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1.家系図ニュース~苦悶する家系調査
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

さて、いつも家系調査(ご先祖探し)が順調に進んでいる様子を描写させていただいていますが、実はその裏でかなり苦悶しているのが実情です(笑)。

関西の『400年たどるコース』の案件は、実はご依頼をいただいてから既に1年半も経過しております。ご依頼人様も既にご自身で十数年にわたり調査をされていて基本的な調査(菩提寺の過去帳、郷土史の読み込みなど)は完了している状態でご依頼をいただきました。

私が請け負いましてから1年半で新たに見つけ出した史料は主に2点でした。一つは、その地域で江戸時代に庄屋を務めていた家の古文書です。既に地元の資料館に預託されていて、資料館では未整理のため非公開になっていたものですが、所有者の方から閲覧承諾書をいただき資料館の方で閲覧が実現しました。

これは地元の方々から「あの家なら古文書を持っているのではないか」という情報をいただき、紹介紹介でその家にたどりつき交渉させていただいたものです。

もう一点はその地域の区有文書と呼ばれるもので、個人所蔵ではなく地域の共有物です。こちらも同様に地元の中で色々な方にお世話になりながら区長さんに了解をいただき閲覧の運びとなりました。

こちらにも非常に貴重な史料が含まれていて、今では絶対に取得することが出来ない明治初期の戸籍や江戸時代中期の検地帳もありました。これにより何とか300年前位までご先祖様名が明らかになってきました。

しかし、ここからの100年(つまり、江戸時代前期)が苦悶するところです。もう新しい史料は出てこないだろうというところではありますが、ここから絞り出していなかいと400年分は達成できない訳です。

今もゼロ点数パーセントの確率にかけて色々なところにアプローチしたり、文献を読んだりしています(直接的には結びつかないのですが、大きな流れではヒントになるので今日も『日本書紀』のある一節を読んでいました。社会科で習った日本書紀を実生活で真剣に読むことになろうとは思ってもみませんでした!)。

まあでも、家系調査は本来楽しい仕事ですので、あまり苦悶せず力まずに頑張っていこうと思います。


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2.非公開の古文書の閲覧をお願いする日々
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さて、戸籍の範囲のご先祖様探しは間違いのないように戸籍を取得し、きちんと読み込むことが全てです。戸籍は日本全国どこの役所であろうとも現存している限りは、所定の手続きを間違いなくやっていけば確実に取得することが出来ます。

つまり、「こうやればよい」という答えがある世界です。当方の場合は戸籍の範囲のサービスであっても、『歴史探訪報告書』というご依頼人の家のルーツを私が「苗字」「本籍地」「家紋」「言い伝え」などから想定し報告書にまとめます。

現地調査などはありませんが、戸籍以上のご先祖様に想いを馳せていただく楽しみがあるようになっています。

一方の「200年たどるコース」「400年たどるコース」などは、文献調査、現地調査などを行います。こちらは完全に「答え」のない世界です。…とはいえ、実はそれでも地域の宗門人別帳を探して閲覧する。分限帳を分析するなど全くもってパターンが無い訳ではありません。

そうした史料は活字化されている場合もありますし、たとえ現地の資料館等に原本のまま所蔵されているとしても、それを閲覧しに行けばそれで済む訳です。つまり、何らかの形で「公開」されているものであれば、現地に行く労力、古文書を読み込む労力さえかければ良いといえます。

ですから、それはさほど難しくありません。問題は「非公開」の史料(古文書)です。現在も、ある場所にご依頼人のご先祖様の謎を解き明かせる古文書が確実にあるのに見られない~という状況にあるものが数件あります。

なぜ、あるのに見られないかといえば「個人所蔵」になっているからです。中部地方の「400年たどるコース」では、必要な古文書の目録も入手しています。それを所蔵しているお宅も判明しました。いきなりお電話するのは失礼ですので、きちんと事情を説明し私の身分証明書を添えて手紙を出しました。

数日後、そのお宅の高齢の女性の方からお電話をいただきました。確かに古文書もあるし見せてあげたいとの話ではありましたが、普段は家にお1人だそうで息子さん方からは誰も家にあげてはいけないよと言われているそうです。

こんなご時世ですから、もっともな話です。息子さんに事情を説明していただきましたが、結局、閲覧は実現していません。でも、これは仕方のないことです。公開をしていないものを閲覧したいというのはこちらの勝手な都合ですし、息子さん方の心配も当然のことですから。

ですので、この案件は今、全く別の方面からの調査を進めています。あまり無理なことをすれば当方の問題だけでなく、ご依頼人の方の信用も失わせてしまいますので細心の注意が必要です。まあ、それでもいつか事情が変わり見せていただける日がくると良いのですが…

また、東北の「200年たどるコース」においても、確実にある場所に非常に重要な古文書(その村の宗門人別帳や検地帳)が存在している事までは突き止めました。

そこで、その所有者の方にお願いの手紙を出しました。しかし、住まわれている場所がその古文書がある場所から離れているという事もあり了承をいただけていません。この古文書もやはり目録が残っています。おそらく昔、郷土史を編纂する際にその古文書の所在を行政のほうで確認したからこそ明確な目録が残っているのでしょう。

しかし、それを行政機関で果たして複製などしているのかしていないのか、昔の事でなかなか明確になりません。複製があれば行政機関でそれを閲覧させていただける可能性も出てきます。

目録だけは作られても(つまり、行政の方でその古文書の存在だけを確認していても)、それを郷土史に載せる訳でも複製を取っておく訳でもないという事は往々にしてあります。

いやあ、実はこんな「もどかしい状態」は書ききれないくらいあります。しかし、公開されていない古文書にこそ何とかたどりつきたい訳です。粘り強く頑張っていきます!