北海道の先祖探し ~奇跡的に移住元が判明しました!~

家系図 ルーツ

第50

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1.家系図ニュース~古文書はどんどん傷む
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

昨日は『400年たどるコース』の案件で、南関東の某公的機関に行き、十数冊の宗門人別帳の読み取りをしてきました。その村の古文書はよく残っているので有難い限りなのですが、閲覧に供されるのが古文書の原本であり、かつマイクロフィルム化がされていませんので少々心配です。

閲覧者が直接、原本を手に取る訳ですから当然に少しづつ傷んでいきます。特に紙の端の方は傷みが激しく、今回もご依頼人の家の当主の部分がちょうど端のあたりに書かれていましたので、見づらくなってきています。私も原本を傷めないように細心の注意を払って取り扱っています。

先週はやはり別の『400年たどるコース』の案件で、北関東の某公的機関に行きまして古文書を閲覧してきました。こちらは原本はなくマイクロフィルム化されたものを特別な機械にかけて閲覧していきます。そのマイクロフィルムの機械は何百という古文書を一つのフィルムに収めたものを横に横にどんどんスクロールする形で閲覧していきます。

ものすごい量の古文書を見る訳で、自動でスクロールさせていき有益なものがありそうなところで止めて、じっくり見るという事を繰り返すのですが、これがかなり辛い作業です。

古文書も縦で収められていたり横で収められていたりなので、それに合わせて首を傾けたり戻したりします。その上、すべて「くずし字」です。おまけにマイクロフィルムが薄いので目をこらします。その状態でスクロールを何時間もやっていますと、冗談ではなく目が回ってきます。古文書というのは、原本でもフィルム化されていても何かと疲れます(笑)。


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2.北海道の先祖探し~奇跡的に移住元が判明しました!
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さて、前回少しお話した北海道の『200年たどるコース』の案件です。戸籍を取得した結果、自家の先祖が明治時代には北海道にいた事が判明するのはよくあるケースです。

その古い戸籍に、どこから北海道に移住してきたのか~その記載があればその移住元の地域の古文書等を調べていけばよい話なのですが、問題は明治初期の戸籍が既に廃棄されていたり火災で焼失している場合です。

そうなると、どこから北海道にやってきたのか全く分からない訳です。 この案件もまさにそのパターンです。江戸時代から北海道に済み続けていたという家は稀で、大体は別の場所から明治時代に移住してきているのです。

明治時代に北海道に移住してきた全ての人(家)が一覧になっている史料でもあれば良いのですが、残念ながらそのようなものはありません。なので、北海道の戸籍(正確には除籍)を超えた先祖探しは困難を極めると言われています。

さて、そんな中、私が考えたのは次のような方法です。 移住してきた人々の名簿はないにしても、北海道の各地域ごとに、どの年代にはどの地域から移住してきたケースが多いという、おおまかな傾向は調べれば分かります。

ですので、まずそれを調べる。今回の案件でも、明治○○年に北海道の○○地域に本籍地を置いていたという情報は戸籍から読み取れます。そこで、その年代より以前にその地域に多く移住してきた人々の傾向を掴みます。

もちろん、その傾向というのは非常に大ざっぱなもので「東北の藩の士族が多い」「北陸地方の農民が多い」という程度のものです。しかし、それでもその傾向に従い東北の藩の分限帳を片っ端から調べる。北陸地方の郷土史を片っ端から読み漁り、移住していった人々についての記録がないか調べるといった事が可能になると考えたのです。

しかし、冷静になって考えてみますと、これはかなり無茶といいますか、どれだけの時間がかかるか分かったものではありません。それでいて、時間をかけてもそのような人名の記載はない可能性の方が高いです。よほど時間がある方はこの方法も試してみる価値はありますが…あまり、お薦めは出来ません。

で、結果から申しますと、そうした無茶をやりつつ単純に北海道の当該地域の古い郷土史を隅々まで読んでいましたら、突然に「○○地域からの移住者について」という項目があり、その地域からの移住者(某藩の士族が団体で移住してきたのでした)の名前が一覧で掲載されており、何とその中に今回のご依頼人の戸籍で判明している最も古いご先祖のお名前がそのまま掲載されていたのです!

北海道側の郷土史にこのように移住者の名前が明記されているのは、実際の移住者のうちの氷山の一角に過ぎず、こんな幸運はそうそうあるものではありません。目を疑うとはこの事です。これにより、北海道にかつて本籍地を置いていたとしか分かっていなかったものが某藩の藩士の家であったという事が一気に分かってしまったのです。

西日本にあるその某藩なのですが、その藩は比較的、分限帳が現存している藩です。その分限帳に当たれば、その家のご先祖名がさらに判明する可能性大です。…という訳で、近々、西日本に現地調査に行ってまいります。

北海道のところで、もうどうにもならないかと思われた案件がこうして再び動き出しました。いや、それにしてもホッとしました。念のため補足しておきますと、これは本当に幸運なケースです。

北海道の案件は難しい~という基本だけは覚えておいていただいた方がよいと思います。