江戸時代を調べるためにも明治時代の古文書を閲覧することが大切な訳

家系図 ルーツ

第43

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1.家系図ニュース~家系図本がブーム?
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

前号で書きました通り、今週は「200年たどるコース」の案件で越後国(新潟県)に行って古文書の閲覧をしてきました。数百点(ページにしたら数千でしょうか)の古文書は壮観でした。

図書館の方で空いている部屋を一つ用意してくださいまして、2日間にわたり古文書と格闘してまいりました。残念ながら宗門人別帳のような先祖探しにおける決定的な文書は無かったのですが、後述するような明治時代の古文書と江戸時代の古文書の情報を合わせることにより、戸籍だけでは得られないご先祖様に関する情報を手にすることが出来ました。

文書の閲覧を許可してくださった旧家の方。そして、間を取り持ち閲覧の便宜を図ってくださった行政の方々へ感謝です。

ところで、私も『家系図を作って先祖を1000年たどる技術』という本を出版させていただきましたが、最近は静かな家系図ブームなのでしょうか?家系図本が相次いで刊行されました。

一冊は姓氏研究の大御所、丹羽基二先生(すでに逝去されています)の『家系図のつくり方が面白いほどわかる本』(新人物往来社)。これは丹羽先生のかつての書籍『あなたも系図が作れます』の新装版という事になります。

もう一冊は500円というリーズナブルな価格の『家系図の世界』(イースト・プレス)です。

もうすぐお盆で家族、親戚が集まる機会も多いと思います。是非、家系図本で知識を深めて家族、親戚のみなさんとご先祖様談義を楽しんでみてください。


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当事務所では「人権」については充分な配慮をして家系調査を行なっています。人権侵害に当たるような調査、他人の身元調査は受け兼ねますのでご了承ください。


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2.江戸時代を調べるためにも明治時代の古文書を閲覧することが大切な訳
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さて、江戸時代のご先祖様を知るために「宗門人別帳」「検地帳」などの江戸時代に書かれた文書を見ることの重要性はこれまでに何度もお話してきました。

しかし、ご存知のとおり江戸時代のこうした公文書には庶民の苗字は記載されていません。そうなると、せっかく各年代の古文書が残っていても、誰が自家のご先祖様なのか今一つ分からないというモドカシイ事態も結構、起きてきます。

それを乗り越える方法も、これまでお話させていただきましたが、今日は「江戸時代のことを調べるためには、明治時代の古文書を見ることが重要」という事を覚えていただければと思います。

たとえば公的機関で古文書の目録があったとして、江戸時代の事を調べようと思うと江戸の年号の文書ばかりを探してしまいがちです。明治時代の事は戸籍で既に分かっているので何となく重要ではない気がしてしまうからでしょう。

しかし、明治時代にも地域によっては検地帳に近い田畑の所有者帳のようなものを作っている場合があります。実は今回の新潟県の調査でも、明治9年のその村の田畑の所有者名が一覧になった文書があったのです。そうです、明治9年ということは農家の家であっても苗字が堂々と書かれているという事です。

となると、その文書を見ることにより、どの家とどの家が親戚か。どの家が自分のご先祖様候補かということが明らかになります。明治初期ということは、江戸時代の雰囲気が色濃く残っています。その時の当主の名前は幕末の古文書にも登場してきます。いえ、たとえ一世代前の古文書でも当時は当主の名前は代々引き継いでいますので、江戸時代中期~後期の検地帳と明治初期の苗字入りの古文書を突き合わせることにより、江戸時代の各家の苗字もだいたい分かってきます。

江戸時代の事を調べるためには江戸時代の古文書だけに捉われずに、新しい時代の古文書も注意深く見ていく…一見、当たり前のような話ですが意外と忘れられがちですので意識しておいていただければと思います。