苗字や家紋は変わることがあるのか?

家系図 ルーツ

第24

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1.家系図ニュース~古文書の中の落書き?
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

「200年たどるコース」以上の現地調査を行なう依頼案件につきましては、私の方からその地の古文書を所蔵する方の家を訪ねて、見せていただくという事も多くあるのですが、今手がけている「200年コース」の案件でも、北陸地方のある村(現在は市になっていますが)のお宅に江戸時代の古文書があることを調査の上で確認いたしましたので、そのお宅の当主の方に先日(事前に手紙を送った上で)見せていただけるようにお願いの電話をいたしました。
非常に協力的で、ご快諾いただきました。

そこでいつものように「では、私の方からうかがいます」と申し出たのですが、「遠いところを来ていただくのは大変ですから、宅配便で送りますよ」と言ってくださいました。

しかし、貴重な古文書を見ず知らずの人間に送っていただくというのも申し訳ありませんので、いえ、ご迷惑でなければうかがいますのでと繰り返しましたが、「ホームページも見せていただいています。丸山さんなら大丈夫でしょう」と、ありがたいお言葉をいただき、結果、今私の机の上に膨大な古文書が入った箱が置かれています。

その中には村中の各家の先祖を記したものまでありました。
しかし、ちょっと面白かったのは古文書の余白に結構、落書きといいますか筆でイラストがたくさん書かれていることです。おそらくは、その文書が作られてしばらく経ち、実質的な用をなさなくなった後にイラストを描くための紙となっていったのでしょう。それでも江戸時代の人が書いたものです。

人物を描くのがお好みだったようで、当時の武士や農民の姿が描かれています。これは非常に貴重な史料ともいえます。

このように個人宅に所蔵されている史料というのは、研究者の目にも触れていないものが多い訳で、そうしたところから意外な史実が分かってくる可能性もあります。自分だけの歴史観が得ることが出来ます。そうしたものに出会えるのも、ご先祖様探しの楽しみの一つといえます。


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当事務所では「人権」については充分な配慮をして家系調査を行なっています。人権侵害に当たるような調査、他人の身元調査は受け兼ねますのでご了承ください。


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2.苗字や家紋は変わることがあるのか?
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今回は、同じ家でありながら「苗字」「家紋」が変化していく事もあるのか?という疑問について書いてみようと思います。

家紋辞典などを調べて「自分の苗字であれば、この家紋であるべきなのにウチの家紋は違う。何故だろう」と、疑問をもたれる方も多いようで、同じ家でありながら家紋がいつしか変わっていく可能性はあるのですか?と、聞かれることがあります。

結論から申し上げますと、家紋は変わることが多々あります。理由は様々ですが、昔は嫁いできた奥様の家の格式の方が高ければそちらの家紋を使用するようになるケースもあったようです。
家紋関連の書籍を読むと、そうした事例も色々と示されています。

しかし、私の場合には冒頭の話のように、研究者の目にも触れていない古文書を色々と見ています。体系的な知識では学者の方には勝てませんが、家系調査における実践的な部分では「生」の情報に触れています。

実は、ある旧家の古文書を見せていただいた時に、江戸時代に分家を行なう際、「本家と分家する家の間で契約書を交わす」ということがある事を知りました。そして、その契約条項の中の一つに「苗字、家紋を譲る」という主旨の一文がありました。

私は、分家をする場合、苗字と家紋はそのまま同じものが引き継がれるのが当然であると思っていましたので、初めてその一文に触れたときには驚きました。こうした契約があるということは、逆に言えば分家に際して苗字と家紋がそのまま譲られない場合もあるという事を意味しています。

つまり、江戸時代においては同じ家系であっても分家した際などに苗字や家紋が新しくなる可能性があるということです。江戸時代は農民・町人は原則、苗字を名乗ることが許されていませんでしたので、こうした事実がどれくらいの頻度であったのかは知る由もありませんが、稀なケースとはいえ分家を原因として「苗字」「家紋」の変更は有り得たという事です。

ですから、姓氏家紋辞典などを見たとき、たとえ現在伝わっている家の家紋と異なったとしても、出自はやはりその辞典どおりかもしれません。家紋が違うという理由だけで「この流れではない」と、決めてしまってはいけないという事ですね。

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