武士の家は「分限帳」だけでなく明治期の士族の記録に当たること

家系図 ルーツ

第111

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1.家系図ニュース ~またテレビ企画が始動~
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こんにちは、行政書士の丸山学です。
今年も一年間、先祖探し・家系図作成に明け暮れました。

11月には先祖探しをテーマにTBSテレビ『100秒博士アカデミー』(毎週火曜日夜10時~)にも出演させていただき、より多くの方に先祖探しの楽しさを知っていただく事が出来ました。
あっという間の一年でした。

テレビの方では再度、企画が始動しました。
現代はご存知のとおり「振り込め詐欺」なども横行し、先祖探しの調査は非常にやりずらい時代になっています。どうしても「よく分からないものには関わらない」という意識が基本になっていますので、一般宅やお寺の協力を仰ぐのも簡単な事ではありません。

ただ、テレビ等のメディアに出ていると、そうした点では信頼を得やすく協力をいただける可能性も非常に高まります。各分野の専門家の協力も得やすくなりました。
そうした調査に好影響を与える事であればと思い、お引き受けしている次第です。。
(但し、あくまでご依頼をいただいている調査を良い形で進めることが主眼ですので、メディア露出はいつまで続けるかは分かりません)

また、来年は某自治体の機関(歴史博物館)から先祖探し・家系図作成についての講演も依頼されています。
これも、自治体の機関で講師をしているという事実が対外的な信用に繋がるので可能な限りお受けしようと考えています。単純に歴史博物館のようなところとのコネも重要ですし。

そんな訳で、来年もひたすら先祖探しの一年になること必定です!


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2.武士の家は「分限帳」だけでなく明治期の士族の記録に当たること
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武士だった家は、江戸時代も堂々と名字(苗字)を名乗れたから分限帳(藩が作成した給与台帳のような文書)を見ればすぐに照合が出来て、農民の家に比べて簡単に先祖が分かるのではないか~と、思われる方が多いのですが、そう簡単ではありません。

明確に「○○藩の武士だった」と伝わる家であれば、実際にその藩の幕末の分限帳を見てみます。
一方、自家の古い戸籍(除籍)をみれば幕末の先祖名が分かります。
戸籍で判明した幕末の自家のご先祖名が分限帳にも出てくる筈…と、思いきや、意外と合致する名前がない!という事が多くあります。

もちろん、言い伝えが間違っているという場合もありますが、それ以外に「武士は通称と実名というように複数の名前を持っている」あるいは「武士は改名をよくする」という原因が考えられます。

分限帳に記載されている名前が通称、戸籍に記載されている名前が実名の場合には同一人物でありながら合致しません。また、明治初期に改名するというのもよくある話です。

ですから、「武士の家のほうが先祖探しは簡単」とは言えないのが実際のところなのです。
各藩の分限帳は、郷土史に活字化されて掲載されている事も多いのですが、このような事情からそれらを見るだけは不十分といえます。

では、どうするか?

いちばん良いのは、明治期になってから作成された各県の士族の記録を見ること。戸籍制度が出来ると、元武士や豪商・豪農で複数の名前を持っていた人々も名前を一つにするように強制されました。
ですので、明治期の記録であれば、ほぼ戸籍名と合致してきます。

廃藩になり武士はその職を失っても、しばらくの間は特権として給与が支払われていました。そのためにも、士族(元武士)名簿は各県で必要でしたので作成されました。
但し、現存具合は各県(明治期は現在の都道府県とは若干異なる)によって異なります。

ですので、こうした士族の記録も各行政機関などに問い合わせて発掘していくしかありません。
また、士族の記録はほぼ活字化されていませんので、確認するためには所蔵されている現地に出向く必要もあります。意外と大変なので、私などは出来るだけ各県の士族のデータ(名前)を手元に収集すように努めています。

先祖が武士であるという場合には、まずは「明治期に作成された士族の記録を探さなければ」と、考える必要があります。